日記 > 日本編 > 香奈子 熊野古道を行く > 9月7日(月) 熊野古道・伊勢路(1)

二見浦〜田丸〜女鬼峠〜三瀬谷








              田丸城のお堀の古代蓮
午前5時28分起床

アラームの鳴る2分前に…目がパッチリ
今日だけじゃない…普段、目覚ましをかけても、大体2分前位に目が覚める
時々自分の体内時計に、びっくりしたりする

大の字で、手と足を布団から出して寝ていた
はは…健康的

海を見ながらお風呂…漁船が沖へ出で行くのが見える

それから…浜辺を散歩

     
朝の海は、気持ちいい                養殖のホタテが流れてきちゃったのかな?
                          いくつも打ち上げられてました
それから朝食〜♪

温泉のお湯を使った湯豆腐…これは、美味しかった!!!

7時20分チェックアウト
駅まで、海沿いの道を歩く

二見浦…名前の由来は

「倭姫命(やまのひめのみこと)が、天照大御神の鎮座される土地を捜し求めていた時、
眺めの美しさに2度も振り返られた」

という伝説からだそうです

歴史ある海水浴場…なかなか素敵でした
松林や古い旅館も沢山あって
     
朝の新鮮な空気の中、二見浦駅に到着

さて…これからが問題なのですよ!!!
熊野古道・伊勢路を歩きたいのだけれど…何の資料もない

『熊野古道を歩く〜紀伊山地の霊場ご参詣道』という本の
「伊勢路を行く…お伊勢さんから熊野まで」というところに

伊勢参拝を終えた旅人は、まず宮川を渡り、伊勢の西に広がる田丸の町(玉城町)をめざした

と、書いてあったので
田丸までいけば、なんとかなる〜んじゃないかと思い
ともかく行ってみることにする

二見浦駅で

田丸駅まで…切符を下さい
「えっ…田丸???」

駅員さんが…私の格好をチラリと見る

田丸城があったところですよね
「そうです…でも、今は跡だけだよ…桜の時期は、綺麗なんだけどね」

ふぅむ…観光客が行くところでなさそう…なのね

とにかく…JR参宮線に乗り込む
二見浦〜五十鈴ヶ丘〜伊勢市〜山田上口〜宮川、そして田丸

ふむむ…宮川を渡り、電車は…田丸駅に到着
駅員さんに、田丸城跡の場所を聞く

お堀が見える…城跡は、公園と中学校になっているようだ


田丸城

南北朝動乱期の延元元年(1336)後醍醐天皇を吉野に迎えようと
伊勢に下った北畠親房が、愛州氏や度会氏などの援助を得て
この玉丸山に砦を築いて南朝方の拠点としたのが始まりとされる。

京の都と伊勢を結ぶ最古の道「初瀬街道」と南から通じる「熊野街道」が
落ち合う田丸城は、南朝にとっては重要な奉幣使の道であり、
また軍事経済の面からも最重要拠点であることから
北朝・南朝の攻防の舞台となった。

 現在残っている城郭は、天正3年(1575)に織田信長の次男で
北畠を継いだ織田信雄が築城したもので、
三層五階の天守閣を掲げる本格的な平山城であった。
江戸時代には紀州藩主徳川頼宣の家老久野宗成が城主となり
明治の廃城まで久野氏8代が田丸城を支配した。


ふむむむむ…なんの手がかりもない
お堀の古代蓮が揺れているだけ…

途方にくれていると「熊野古道・伊勢路」というのぼりが立っている
その建物は、玉城町役場

ダメもとで入ってみる

時間は9時ちょっと前
月曜日の朝…慌しい空気が立ち込める役場に
ハイキングスタイルの私

あの…
ここから…熊野まで…歩きたいんですが…
熊野古道・伊勢路についての資料…とか…パンフレットとかありますか?

カウンターの手前の妙齢の女性に声をかけた

「・・・ 少々お待ち下さい」
ちょっと怪訝そうな顔をして、奥に消えていった

・・・
待つしかない

しばらくすると、奥からその女性と一緒に、ちょっと若めの男性が出てきた

「あの…これしかないんですけど」
と、持ってきてくれたのが

これよ!!!これが欲しかったのよ〜♪
あるんじゃ〜ない…ちゃんと

一応、市販されているパンフレットにも伊勢路のことはほとんど書かれていないこと
観光案内所でも、まったく資料がなかったことを告げ
お礼を言って役場を出る

これさえあれば!!!

地図に見ながら歩き出す
ああ…これがあったら伊勢市から歩けたのに

太陽は、高く昇って…暑さは増すばかり
舗装された道をてくてく歩き出す

さて…伊勢路ですが

伊勢神宮から南西へ、三重県の紀北町、尾鷲市、熊野市を経て、
和歌山県新宮市の熊野速玉大社までの約180キロの道のり
かつては、「蟻の熊野詣で」とよばれるほどの賑わいをみせたそうです

右 さんぐう道  左 くまの道 と記された道標
ここが熊野への起点です

     
こんもり見えるのが…田丸城跡            埋もれてしまっていたお地蔵様…
                          農民の夢枕に立ち
                          助け出されたという民話が残っています
ながらかな道…民家の間を縫って歩く
柿畑や…どっしりとした古民家も見えてくる
     
     石佛庵(巡礼道引観音石仏庵)
     たくさんのお地蔵様に、旅の無事を祈願
     昔も今も…同じですね

     
所々にある道標                   永昌寺…しばらく休憩
                          地元のおじいさんとおしゃべり

峠越えを心配してくれました

     
いよいよ最初の峠…女鬼(めき)峠           荷車のわだちの跡が残っている岩

     
千枚岩を堀削して開いた「切通し」をぬけて      名号碑と如意輪観音像
峠を越えます

     
下り終えると迎えてくれた池             誰一人すれ違わなかったなぁ〜

     
里に下りてくると…ホッとします           畑の縁に植わっているのは


枝豆でした!!! こういう風に生えていたとは…始めて見ました!!!


キュウイも生ってました

食べ物に目がいく…
もうお昼はとう過ぎている
お腹は減ったけれど…お店は見当たらず
晴天の中…ただひたすら歩く


柳原観音千福寺 本尊の観世音菩薩は聖徳太子の作と伝えられています

軒を借りて、しばらく休憩…トイレも拝借
もちろん…ちゃんと観音様にもご挨拶もしましたよ

さて…出発
少し歩くと…喫茶と食事&カラオケ…という看板が

助かった…何か食べられる

2階に上がってゆくと、集会所みたいな…スナックみたいなお店
おばさんが一人テレビを見ていた

メニューは、とんかつ定食とか…うどんとか
私は、とろろ定食を頼む

お腹が空いていて…必死で食べた為
写真を撮り忘れました…ので
立派なカラオケのステージをパチリ

町の人たちの憩いの場所みたい
熊野まで歩くのだというと…やはり呆れられた

さて!!!
田丸〜成川〜女鬼峠〜相鹿瀬〜柳原と、順調に歩いてきた

これから、栃原〜神瀬〜下楠と、歩くのだ!!!

栃原に入るとJR紀勢本線が見えた
これからは、線路と平行に道は続く

     
お茶畑が広がるのどかな風景             下楠の常夜灯と六字名号碑

上楠を過ぎ、まもなく川添駅
そろそろ暗くなってくるので
次の駅までは、歩けないと判断

川添駅で今宵の宿を探そう

しかし…なかなか川添駅が見つからない
同じところをぐるぐる探す
何度か行ったり来たりして…やっと見つけた

えっ…これが駅???

今まで持っていた…駅という観念が覆された
かろうじてホームがある
びっくりするほど…小さな駅

携帯で宿を探す
よさそうな宿が一つ先の駅…三瀬谷駅にあった

電話してみる

「泊まれますが…他…男性のお客様しか泊まっていませんが…それでもいいですか?」
お風呂は?
「鍵がかかります」
では、お願いします

ひとまず…ホッ
電車は、30分後…ちょうどいいじゃない

熊野古道沿いの旅館萬栄
明日は、朝から三瀬坂峠を越えよう

栗生〜高奈〜下三瀬は、電車で通過

三瀬谷駅に到着
高校生たちと一緒に降りる

駅前には沢山の車…
お母さんたちが迎えに来ている
高校へ通うのも大変だ


旅館は、駅前にあった

お風呂は入らずシャワーで済ます
たっぷり汗をかいたので…気持ちいい

個室シャワーが3つもある…なかなか広い旅館
高速道路の作業をしていた人たちで、数年前までは賑やかな町だったとか
出来上がってしまった今…淋しい町になってしまったと…
女将さんが言ってました


夕食…ビール2本飲んで

もう…ぐっすりです…はい

本日は…45381歩


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