日記 > 海外編 > 香奈子のおパリの休日 > 4月11日(水) またまた…おパリで病院!!? T








            リュクサンブール公園→
パリの遅い夜明け…食堂に明かりがつく
7時ね…きっと

お腹は空いている…
昨日の夕食はキッシュ半分とオレンジジュースだけだし
薬を飲むためにも、朝ごはんを食べなくちゃ〜

食堂へ行き
コーンフレークをミルクに浸し、ふやかしてから流し込む
パリに来てから…食生活には恵まれていない

部屋に戻って薬を飲んでいると保険会社から電話が来た

パリでは専門医はすべて予約制の為、すぐ診察してもらえない
月曜日に診察したアメリカンホスピタルの日本人アシスタントに連絡して、相談してみてくれとのこと

テレビをつけると日本と同じように…朝のニュース
9時になるのを待ってアメリカンホスピタルに電話

よかった!!!いた!!!日本人アシスタント!!!
話を聞いてもらい、他の先生の予約を確認してくれるとのこと
ホテルの電話番号を伝え、折り返しの電話を待つ

すぐに電話がきた
10時15分から予約が取れたのですぐ来て欲しいとのこと
そして月曜日から使っている薬を持ってきてくれとのことだった

時間がない…慌ててモンパルナス方面に向かうバスに乗る
それから病院行きのバスに乗り換えようと思ったのだが、朝のラッシュで時間がかかってしまった
エコール ド パリの画家達が集まったという有名なカフェ・ロトンドの前、ヴァヴァンからタクシーに乗る
ジャスト10時15分着
タクシーの運ちゃん…メルシー☆

話は逸れるがパリのタクシー料金は複雑
時間・地域などで細かく料金が分かれている
基本料金 2ユーロ
A料金 0.77ユーロ/km
B料金 1.09ユーロ/km
C料金 1.33ユーロ/km
今の場合、10時までがB料金
10時の時報と同時に運転手さんはメーターをA料金にする
しばらくするとパリ市内から出て、郊外になるのでその地点でまたB料金になる
前回行った時は祭日だったので郊外はC料金
パリ市内も終日B料金
とほほ…領収書をもらい忘れた時が一番高かった
タクシーの運転手さんも忙しいパリである

さて…
10時15分に到着し、総合受付で直接行け…と言われたので
6番のコーナーへ
2組ほど椅子に座っている

6番の受付の人は電話中
パリジャンはお店なども、電話中は電話優先…お客が来てもまったく無視が多い
その姿にびっくりする…
慌て来た私は気が気じゃないんだけど
電話が終わるまでじっと我慢…
終わったようなので名前を告げると
「そこで待ってて」の一言
ううう…冷たいんだから…

そこへ日本人アシスタントが現れた…ああ…天使に見える
通訳が必要かと聞かれ…もちろん!!!と、即答
診察の時には来てくれる…って
ふぅ…これで…一安心

ドクターの到着は10時30分過ぎ…これが…フランス時間ってやつですね
それから前に待っている人の診察…私は3番目

月曜日のドクターよりも年配でなかなかのハンサム(っていうか私好み?)
今回はアシスタントの人が通訳してくれてスムーズにことが運ぶ

年配ハンサムドクターは私の耳を見るなり険しい口調で日本人アシスタントに話している
やっぱりこの先生も鼻も喉も見ず…耳しか見ない
アシスタントが言う
「病名は中耳炎。かなり進行していて、鼓膜に穴を開けて膿を出す」
えっ!!!鼓膜…に穴???…ちょっと待って!!!
焦った私は…16日にまた飛行機に乗って日本に帰るんですけど…と言う
アシスタントが 通訳してドクターへ伝える
ドクターが私の方を見て言う…アシスタントが訳す
「だったら尚更、今やらないと…日本に帰れません」

ぎぇぇぇぇぇぇ〜

すぐに麻酔の用意…
心臓はバクバク…だって鼓膜よ…コマク…
私…歌手だし…どうすんの!!!???
この叫びは声にならない

薬を耳に流し込まれ…首を傾げたまま15分
いつの間にかアシスタントは消えてしまった
診察室に一人取り残される

その後、ドクターが戻り…耳の中に注射
凄まじい痛み★

涙が頬を伝う
でも…これで痛みは無くなる筈…
と思った私が甘かった。。。

その後のことは思い出したくない
壮絶な痛み★★★

その時も、アシスタントの姿はなく
異国の…言葉の通じない人に…任せる恐ろしさ
意識はあるし…耳だし
今まで感じたことのない痛みと恐怖
看護婦も…誰もいない…私ひとりっきり

ヘルプ…ヘルプ!!!…お願い…痛い!!!…思わず声が出る…
悪夢のような時が流れ

「セフィニ…マダム…セフィニ」
これくらいわかる…終わった…のね…

とにかく涙があふれ…流れる
ドクターは私の頬を両手で包み…涙をぬぐう
この仕草…さすがフランス人…と
こんな時でも妙に感心している私がいる

…呆然…放心…脱力…
ドクターは、これがベストだったんだと繰り返す
イエス…イエス…私はただ頷く

アシスタントが現れ
「この手術を効果的にする為、これから帰国の日まで毎日、筋肉注射をして下さい」

へっ…毎日???
この病院はホテルからかなり遠い

頭はパニくっていたが…そんな状態でも…保険会社に申請する書類に必要事項を書き込む

アシスタントが続ける
「ホテル近くのファーマシーで処方箋に書いてある薬を買い、そこで近所の看護婦を紹介してもらい、
そこへ毎日予約を取って、注射をしてもらいに通って下さい…」

薬局で紹介???…近所の看護士???…毎日予約???…
日本語で言われたってすぐに内容が把握出来ない

予約…たって…自分じゃ出来ないし…その看護婦との会話だって…どうすんの!!!
ねぇ…どうすんのよ…私!!!

こうなったら毎日ここに来た方が早い!!!
帰国までこちらに通いますので…10時に予約を入れて下さい…
と、お願いする

アシスタントが続ける
「救急センターで第一回目の筋肉注射を打ってもらって下さい
それから…今まで使用していた薬は中止して下さい」

月曜の医者はなんだったんだぁぁぁ!!!
と、心の中で叫びながら
ふらふらした足取りで救急センターへの渡り廊下を渡る

待合室で待っていると名前を呼んだのは若い看護士だった

言葉が通じない…
手振り身振りと単語連発会話

このベットに寝て…えっ…尻???

ああ…何が悲しくて…パリまで来て…若い男の子に…

「リラックス…リラックス」
そんなこと言われたって…こっちは鼓膜に穴開けたばかりなの!!!

カラダが超緊張しているから…なかなか注射出来ない

「・・・フゥ〜 ・・・フゥ〜」
わかってるけど…なかなか力が抜けないのよぉぉぉぉぉぉ

やっとのことで
両のお尻のほっぺたに1本づつ…計2本の筋肉注射

「また明日」
はいはい…来ますよ…明日も…
ぐったりしながら…病院を出る

そこで…ハタと気がつく
日本だったらそんな手術をする時、エプロンみたいのするでしょう?
まったくそんなのないから…タートルのTシャツが汚れている…
その後、絆創膏とかガーゼとか貼るでしょう?
それもないから…頬や顎が汚れているし…今も耳からダラダラと流れ続けている
・・・
ふぅ…スゴイ国だわ…フランス…日本では考えられません。。。

フランス製の厚手のテッシュで耳を押さえながらバスに乗る
隣に座ったマダムが気味悪そうに見ている

そのマダムに向かって
あなたの国のお医者様が、この状態で私を帰したのです!!!ひどいでしょう〜貴女はどう思います?
フランス語が出来たら
こう言ってやりたい衝動に駆られた

そんなこと考えてたら…なんだか愉快になってきた

今まで気がつかなかったけど…いいお天気
バスはゆっくり走り出した


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